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相続財産

相続人が相続する財産のことを相続財産と呼びます。被相続人(亡くなった方)が生前に持っていた財産、権利などが相続の対象となります。主に預貯金、不動産などのプラスの財産をイメージされるかと思いますが、借金や保証人の地位などのマイナスの財産も相続の対象となります。被相続人が生前にどのような財産を持っていたか、相続人が把握していれば問題ありませんが、突然亡くなってしまった場合などは、被相続人の財産を調べていく必要があります。主だった財産について、どこから調査を始めていけばよいかをご説明します。

1.不動産について

自宅の土地・建物、耕作していた田畑などが該当します。毎年市町村役場から固定資産税の納税通知書が届いているので、把握しやすいかと思います。注意しなければならないのは、共有になっている不動産がある場合です。この場合、固定資産税の通知は代表者にしか送られてこないため、他の共有者の納税通知書には記載されていません。多いのは、敷地の前面道路や山林などです。また、自治体によっては、非課税の不動産について記載がないケースがあります。非課税の不動産は、古い建物や山林など評価の低い不動産、公衆用道路などで非課税になっているものもあります。

私道がある場合、その部分の登記を確認してみたり、共有不動産も含めての固定資産税評価証明書や名寄せを取得することで判明することができます。また、被相続人が持っていた登記済証や登記識別情報などを参照して、固定資産税納税通知書に載っていない不動産を取得した形跡がないかどうかなど確認していく必要があります。

2.預貯金について

給与や年金が振り込まれているなど、普段使っていた口座については、ご家族でも把握していることが多いと思います。ですが、昔使っていたけど、今は使っていない口座や、付き合いで作ったけど全く使っていない口座なども存在していることがあります。100円でも1000円でも口座に残高があれば、相続財産となります。漏れの無いように確認しておくことが大切です。

口座を調べるには、通帳が一番の手掛かりです。通帳のある金融機関に照会をかければ教えてもらえます。基本的に他の支店にも口座があるかどうかも確認してもらえると思いますので、その旨窓口でお伝えください。照会には、相続人であることの証明が必要になると思いますので、戸籍等必要なものが何かを事前に確認したうえで窓口に行きましょう。通帳はないが、以前使っていた記憶があるという場合も、同様に金融機関に照会をかけてかけてみましょう。

最近は、通帳を発行しない金融機関やインターネットバンキングなどもあります。その場合、通帳自体が存在しないので、まったく気づかずに抜け落ちてしまう可能性があります。被相続人に届いていた郵便物やインターネットの利用などから取引の有無を判断し、可能性があれば、これも照会をかけてみましょう。

3.株式等の有価証券

被相続人宛に株主総会の案内や配当のお知らせなどがあれば、株を保有していた可能性が高いと思われます。上場している株の場合、証券会社等から何かしらの郵便物が届いていると思われますので、それらを手掛かりに調査を始めます。預貯金と同様に、インターネットで株取引をする方も多いでしょうから、インターネットの利用も大きな手掛かりになろうかと思います。

被相続人が非上場の株式を保有しているのは、自身が会社を経営していたような場合がほとんどだと思います。その場合、会社に対し、株主名簿を見せてもらったり、会社の顧問税理士に確認して、被相続人が何株保有していたのかを調査します。

国債を購入していた場合は、国債を購入した金融機関の通帳や報告書などが手掛かりになります。

4.マイナスの財産

相続する財産は、プラスの財産だけではなく、借金などのマイナスの財産も相続の対象となります。借金や税金の滞納、クレジットカードの未払い分などがあれば、相続人は支払う必要があります。また、住宅ローンの返済途中で死亡したような場合、団信に加入していれば、残りの支払いは免除されますが、団信に加入していない場合は、相続人に支払い義務が発生します。

プラスの財産よりもマイナスの財産の方が多い場合、相続放棄を検討することになります。相続放棄には期限がありますので、マイナスの財産がどれくらいあるかはできるだけ早めに調べるようにしましょう。

相続財産にならないもの

原則から言えば、被相続人が死亡した時点で持っているすべての財産が相続財産となりますが、一部判断に迷うもののあります。

・生命保険金

・祭祀財産

・一身専属権

上記の財産については、相続財産とはなりません。相続財産にならないということは、相続人が承継しない、遺産分割の対象にならない、ということを意味します。生命保険金については、受取人の指定がある場合、受取人固有の財産となります。祭祀財産とは、お墓、位牌などが該当します。これらは、日本の慣習などから相続財産として取り扱う事が適当ではなく、遺産分割でバラバラの相続人が相続することになっても意味がないため、通常は特定の一人が承継するものだという考えからきています。一身専属権とは、特定の人に帰属する権利です。被相続人が生活保護を受けていたとしても、それは被相続人固有の権利であって、相続人が当然に生活保護を受けられるわけではないということになります。

相続財産として代表的なものを挙げてみました。相続財産かどうか判断に迷うものも少なくありません。また、民法上と税務上で取り扱いが異なるものもあります。判断に迷うときは、専門家へご相談ください。