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遺産分割協議

相続財産の調査が終わり、相続人も確定したら、誰が何を相続するのかを決めます。決め方は2種類あり、法定相続分という法律で決められた割合で相続する方法と相続人間で話し合って決定する方法があります。後者の話し合いを「遺産分割協議」と呼びます。

法定相続分

法定相続分の規定は民法900条にあります。

(1) 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。

(2) 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。

(3) 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。

表にすると次のようになります。

配偶者以外の相続人 相続分 配偶者の相続分
1/2 1/2
1/3 2/3
兄弟姉妹 1/4 3/4
なし 100%

子が数人いる場合、子の相続分1/2を等分します。親、兄弟姉妹の場合も同様です。なお、非嫡出子の規定は、平成25年9月4日の最高裁判決で憲法違反とされたことに伴い、改正により削除されました。

法定相続分の説明をしましたが、一般的に、法定相続分で相続するケースは多くありません。お金のように分けられる財産なら問題ありませんが、不動産や株式は、相続人で共有になってしまうため、おすすめできません。通常は、次に説明します遺産分割協議が行われることがほとんどです。

遺産分割協議

遺産分割の内容は、このようにしなければならない、というルールはありません。相続人全員が合意すれば、どのような内容でも問題ありません。例えば、「長男が全財産を相続する」という内容であっても、相続人全員が合意しているのであれば構いません。遺産分割協議がまとまった際には、必ず遺産分割協議書を作成しましょう。書面にしていない場合、後々に言った、言わない、でトラブルになることも多いですし、各種の手続きにも遺産分割協議書を求められるため、きちんと作成しておくほうが安心です。署名と実印での押印に加えて、印鑑証明書を一緒に綴じておくのがベストです。

・代償分割

不動産などの分割しにくい財産が多いケースでは、一人が取得する代わりに他の相続人に金銭等を渡して納得してもらうことも考えられます。このような分割の仕方を代償分割と呼びます。

例えば、「長男がすべての財産を相続する代わりに、次男に500万円を支払う。」といった内容になります。遺産分割協議書を作成する際に、きちんと代償金である旨を明記しましょう。そうしなければ、長男から次男へ支払った500万円が贈与税の対象になる可能性があります。

・換価分割

不動産や株式などを売却し、金銭に換えてから分割する方法です。相続人間できっちり等分に分割したいケースや相続税のための資金を捻出する際には有効です。例えば、被相続人が住んでいた家でその後誰も住む予定がない場合、売却後に、その代金を相続人で分割するといったことが考えられます。

注意点としては、売却までの手間や費用がかかることです。被相続人名義のままでは売却できませんので、相続人の誰かに名義変更する必要があります。また、譲渡所得税の対象にもなるため、確定申告が必要なケースもあります。代償分割のときと同様に、換価分割である旨は、遺産分割協議書に必ず明記しておきましょう。

遺産分割ができないとき

何かしらの事情で相続人間で話し合いができない場合、どうすればよいでしょうか?

・遺産分割調停

相続人間の中が悪く、話はまとまらないケースでは、遺産分割調停の申立てを家庭裁判所に行います。遺産分割調停は、家庭裁判所が相続人の間に入って、遺産分割協議を進行してくれるというイメージです。お互いに顔を合わせなくても良いですし、家庭裁判所という第三者が間に入ってくれるため、感情的になることも少なくなります。

・遺産分割審判

遺産分割調停でも協議がまとまらなかった場合、遺産分割審判へと移行します。審判手続きでは、通常の訴訟と同様に主張や証拠資料を提出していきます。また、調停と違い、誰かが欠席しても手続きが進んでいきます。最終的には、裁判所によって分割の方法が決定されます。

・成年後見の申立て、不在者財産管理人の申立てなど

相続人の中に認知症等で判断能力が十分でない人がいる場合、遺産分割協議ができないので、その人について成年後見の申立てを行い、就任した成年後見人等が代わりに協議に参加することになります。

相続人のうち、行方がわからない人がいる場合も遺産分割協議を行うことができません。この場合、不在者財産管理人の選任を申し立て、就任した不在者財産管理人と遺産分割協議を行います。

申立てはいずれも家庭裁判所に行います。成年後見人も不在者財産管理人も本人の相続分を確保する必要があるため、一人がすべての財産を相続するような内容では合意してくれません。加えて、不在者財産管理人は、家庭裁判所の許可を得る必要があるため、時間がかかることもあります。

相続人の中に未成年者がいる場合、特別代理人の選任の申立てを行い、選ばれた特別代理人が協議に参加します。特に急ぐ必要がなければ、子が成人するのを待ってから遺産分割協議を行えばよいでしょう。

遺言がある場合

上記に遺産分割協議がまとまらない場合の対応を紹介しましたが、いずれも費用面や時間面、制約面で負担の大きいものとなります。遺産分割協議が困難だと予想される際に最も有効な手段は「遺言」です。遺言を作成していれば、遺言の対象になっている財産については遺産分割協議が必要ありません。将来の相続時にトラブルが予想される方は、残される家族のために遺言を作成しておくことをお勧めします。詳しくは遺言のページを参考にしてください。